ニューヨークで自転車事故にあって鎖骨を折った

Fumiaki Yoshimatsu
6 min readOct 2, 2017

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この話はニューヨークで自転車事故にあって救急車で運ばれたの続きです。

外科医のオフィス訪問

家に帰ってもろもろ落ち着かせて、それから言われた通りに外科医のオフィスへ電話…しようとおもったら、すでに向こうから電話が入っていた。すぐに折り返してくれと。電話して、秘書らしき人に用件を告げ、何時に来られるか聞かれて午後1時でアポをとる。場所は家から30分くらいのところだったんだが、いろいろおたおたしていたら出発時間になり、なるべく脱ぎやすい服をさがしてきて、出発。

このオフィスは NYU Langone Orthopaedic Surgery Associates というところで、普段外科の外来を受けるところなんじゃないかと思われる。普通のオフィスぽいとこで、受付でアポを告げて、「2つドアを通った先にある Room F」と言われ、2つドアを通って Room Fに行こうとしたら待ってる他の患者に「EよE」と言われ、「Fって言われたんだけど」「なんかFの先生今いないからEなんだって」「そうなの?ありがとう」みたいな会話をして Room E に行ったら、電話した秘書の人がいた。こういうの、日本の病院の待合とかであまり想像できない。こっちの人って、右往左往してそうな人を見るとすかさずなんかヘルプしようとするよなあ、と思う。

簡単に今日の訪問の用件を聞かれ、「CoPayがあるわね」と、すかさずカード読み取り機を掲示され、$60をお支払い。後で保険会社のWebページで見たんだが、この先生のOffice Visitの定価は$850だそうだ。それが保険会社との契約によるdiscountで大幅に減額され、それの20%をCoPayしたということのようだった。

先生が来るまで別室で待つように言われ、最初に看護師が入ってきて、身長体重から薬の使用歴やら病歴やらを聞かれはじめ、そこでハタと「もしかして今日 Emergency からきた?」「はい」「あーどうりで、全部入力されてたわ。レントゲンも撮った?」「はい」「あーほんとだ、じゃあこれを表示して、ふーん、先生が来るからお待ちくださーい」ってことで看護師の仕事は終了。

次に、アポを取った先生についている研修医的な若手が登場し、レントゲン写真を見て、ふむふむ、OK、これはこうやって骨をまっすぐにしてプレートで固定するって手術になりますよ。職業は何です?プログラマー?じゃあ大丈夫だね。鎖骨ってのは、腕を肩から90度より上に上げたときに動く骨なんだよね。プログラマーがキーボードを打つときの腕はこうだろう?上には上がらないから、手術後は仕事も普通にできるね。お酒は飲む?うん、治るまで飲んじゃダメ。タバコは?うん、治るまで禁止ね。じゃあちょっと待っててね。

最後にアポを取った先生が登場。さっきの若手も一緒についてくる。先生は若手とほぼ同じ質問をして、それに同じように答えると、後ろの若手が満足そうな顔をするのが微笑ましかった。

先生はリスク説明もした。縫った後の部分はちょっと他の部分より鈍感に(numbに)なるよ、麻酔をするから麻酔にかかわるリスクもある(もっと詳細な説明だったけど省略)、それから(レントゲン写真を指差して)ここの黒いところ、肺なんだよね。んで、骨にボルトをこうやって入れるから、ここんとこで刺しすぎると肺に穴があいちゃって空気が入っちゃうことがあるんだよ。そうなったら入院してお腹の横から空気を抜かないといけないんだよね。いやーめったに起こらないから。あとここら辺には神経もあるから、それに触れたり切ったりすることもあるよ。いやーめったに起こらないから。

と、ほんとにこういうノリの説明で、こっちとしてはもうお任せするしかないので、はあ、はあ、はあ、と聞いていた。最後に、「手術は2日後の金曜日にする。手術は午前中に行われるが詳細な日時は追って連絡が来るから。」そしてさっきの秘書のところに戻る。

秘書のところでは、外科手術同意書にサインをし、改めて病歴などのチェックボックスたちにチェックを入れ、コピーをもらって、この日は終了。14時くらいだったかな。

朝から何も食べていないので、なんか食べようとUnion Squareのあたりをうろうろしたけど何かピンとくるものがなく、仕方なくAstor Placeまで歩いて一風堂でラーメンを食べて家に帰ってきた。

会社からのサプライズ

家からSlackで会社に連絡を入れ、そういうわけなので、片腕しかないので生産性が下がりますが、今日は家で仕事しますということにして、Pull Requestのレビューをしたり、準備していたPull Request(するためのコミット)を見直したりして、少し働いた。痛みは多少あるものの、動かさなければそうでもない感じだった。

夜の8時ごろ、突然電話が鳴って、出たらアパートのフロントからで「配達が来てるけど」「え、配達?頼んでないけどな、部屋番号あってる?」「うん、とりあえず行かせるよ」「あ、OK」なんだろう?請求書がバイク便で来たか?とか思ったらなんと、会社のみんなから「早く元気になってね」カードとポテチなどが!Office ManagerのSandyがわざわざ家まで持ってきてくれたのでした。俺まだ入社1ヶ月とかっすけど、みんなちゃんと俺のこと意識したメッセージを書いてくれてて泣きそうだった。今書いててもちょっと泣きそう。いい会社に入れたなぁ、おれ。がんばらないと。ありがとうありがとう。

木曜日

事故って救急に行き、改めて医師のオフィス訪問をしたのが水曜日で、手術は金曜日なので、木曜日は自宅で仕事をそれなりにやった。骨は折れたままだし、腫れも引かないので、そんなに集中できないんだけども。

そんな中、救急から電話が入る。その後の容体の確認だそうだ。オフィスへ行って、手術が明日になったと告げたら、「早いわね!よかったわね!」と。やっぱりそこまで普通な感じではないんだよねこのスピード感は、と思った。救急からは金曜日にも「その後どう?」という電話が入る。ルーティンなんだろうけども、ちゃんとしてるなあと思った。

さらに手術をする病院から手術費用の連絡が入る。$5,300。「それって保険効いてるの?」「保険のdeductibleやらcopayやらをあーだこーだして出した額です」「ん、でその額を保険が払ってくれるってこと?」「ん、は?いいえあなたが払います」「んあ、えと、手術後に払うってこと?」「いいえまず払ってください」「え、この電話で?」「はー、受付で払ってください。」「あ、そういうことか。」こっちは月$10のAmazon Primeを無駄だと思って入らない人なのに。$5,300とか。Pixel 2は買えないわ。買おうと思ってたものはすべてナシだ。あーあ。

最後にまた手術をする病院から連絡が入り、金曜日の朝8時に来るように、場所はNYU Langone Tisch Hospital。玄関を入ったら左に曲がってエレベーターで4階に来てくれと。そこで払うのね。はい。

手術の日へ続く

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